■ハロゲンの覚えかたのポイント @単体、水素化物、オキソ酸、ハロゲン化銀と整理して覚える。 A原子番号の増加につれての強弱を理解する。(沸点、融点、酸化力、水素、水との反応など) B フッ素 だけが特異性が高い。 ■塩素 ・塩素の製法は頻出。 塩化水素 は水で、 水蒸気 は濃硫酸で取り除く。 ■塩化水素 ・気体は塩化水素、水溶液は塩酸という。 ■ヨウ素 @ヨウ素は水に難溶だが、 ヨウ化カリウム溶液 には溶ける。 Aヨウ素溶液とはヨウ化カリウム水溶液のこと。 Bヨウ素はデンプンと反応して青色になる。そのまま「ヨウ素デンプン反応」という。 Cヨウ素は昇華性の黒紫色の固体。 ■単体の状態 ・二原子分子として存在。 ・F2とCl2が気体。Br2 が液体。I2が固体。 ★理由 ・二原子分子のファン・デル・ワールス力は分子の表面積が大きいほど強く働く。→分子が大きくなるほど強くなる。→ 沸点・融点が高くなる。→分子が一番大きいヨウ素は固体で小さいフッ素、塩素が気体。 ☆周期表の同族で物質の三態がでてくるのはハロゲンだけ。 ■単体の融点・沸点 ・単体の融点・沸点:原子番号が増加するにつれて、沸点・融点も高くなる。理由は上記参照。 ■単体の色 F2 Cl2 Br2 I2 淡黄 黄緑 赤褐 黒紫 ☆覚え方……短気(淡黄)な君(黄緑)はカッカ(赤褐)して即死(黒紫)。 ■単体の酸化力(酸化剤として働く) ・F2 >Cl2 >Br2 >I2 ★理由 ・原子半径が小さい(電気陰性度が大きい)ほど最外殻の電子を原子核が引きつけやすい(ほかから電子をもらう傾向も強い)ために酸化力が強い。 ☆フッ素は全元素中で電気陰性度が最大で、単体では酸化剤(安定)の中では最も強い。 ■ハロゲンの単体とハロゲン化物イオンとの反応 ・酸化力の強弱により決まる。 ■単体と水との反応 @フッ素 ・フッ素と水との反応は 酸素 が発生するということが珍しく、試験に出る。 ★理由 ・酸素原子が酸化される(水の酸素原子が酸化され、酸素分子になった)のは珍しく、 酸素 よりも電気陰性度の大きい フッ素 だから、酸素から電子を奪えた。 A塩素 ・可逆反応で塩素が自己酸化還元反応をし、 次亜塩素酸 を生成。 B臭素 ・ほとんど反応しない。 Cヨウ素 ・ほとんど溶けない。 ★理由 ・常温・常圧で固体で結晶を作っているため。 ■単体と水素との反応 ・フッ素(F2 )は爆発的に反応、塩素は光か加熱で反応、臭素・ヨウ素は加熱・触媒下で反応、ただしヨウ素は平衡状態。 ■ハロゲンの水素化合物の状態 ・常温、常圧ですべて気体で無色。 ■水素化合物の酸 ・フッ化水素(HF)だけが弱酸であとは強酸。 ★理由 ・酸の強弱は電離度→フッ化水素は電離して水分子と水和するよりも、フッ化水素のまま、水溶液中で水素結合しているほうが安定だから。つまり電離しないほうが安定。よって、弱酸となる。 ■水素化合物の融点 ・水素化合物の融点・沸点は分子量が大きくなるほど融点・沸点も高くなるが、フッ化水素は水素結合をもつため、最も沸点が高い。 ■ハロゲン化物イオンと硝酸銀(銀イオン)との反応 ・フッ化銀は水に溶け、塩化銀(白色)、臭化銀(淡黄色)、ヨウ化銀(黄色)は沈殿する。 ★色の覚えかた ☆ だんだん黄色になるイメージ 。 ■塩化銀(AgCl) ・塩化銀の沈殿は水には溶けないが、アンモニア水には溶ける。 ■臭化銀(AgBr) @写真のフィルムには感光する物質として臭化銀が使われる。 Aアイドルたちの写真をブロマイドと呼ぶのは臭化物(ブロミド)からきている ■ヨウ化銀(AgI)の沈殿の溶解 ・ヨウ化銀は非常に溶解しにくいが、チオ硫酸ナトリウム、シアン化カリウムには溶解する。 ■沈殿 ・沈殿とは水に溶けない。→イオンにわかれない、電離しないということ。 ★沈殿が起こる理由 @イオン半径比 ・イオン半径比が小さいほど安定なイオン結晶構造が作られる。→沈殿ができる。 A電気陰性度の差 ・電気陰性度の差が小さいほど、共有結合性が強く。電離してイオンになりにくい。→沈殿ができやすい。 ■ハロゲン化物イオンとカルシウムイオンとの反応 ・フッ素だけ沈殿し、CaF(フッ化カルシウム(ホタル石))が生成する。 ★沈殿する理由はイオン半径の問題。(電気陰性度の差からは説明できない。) ■フッ化水素(HF) ・フッ化水素の3つの特性。 @沸点が異常に高い。→水素結合を持つため。 A弱酸。他のハロゲン化水素は強酸。 Bガラスを腐食(溶かす)する。ポリエチレン容器に保存。(ガラスは不適) 反応式は気体状態の場合と水溶液状態の場合と2つある。気体の式だけ覚えて、水溶液の場合は2HFを両辺に加えるだけ。 ・4HF+SiO2 →SiF4 ↑+2H2O ・6HF+SiO2 →H2SiF 6 +2H2O ※ガラスの主成分は二酸化ケイ素。 ■次亜塩素酸 ・塩素が水に溶けると次亜塩素酸を生じる。この反応式は頻出。 ☆次亜塩素酸は酸化力が強く漂白作用、殺菌作用がある。 ■希ガス ・希ガスは 安定な物質 で常温、常圧すべて気体で単原子分子。 ■ヘリウム @物質の中でHe(ヘリウム)は沸点が最も低い。(−269℃) A風船や声を変える物質として知られているHe(ヘリウム)は北米など一部の地域でしかとれない。 |