■窒素とその化合物
・窒素は単体、水素化物(アンモニア)、酸化物(一酸化窒素、二酸化窒素)、オキソ酸(硝酸)と覚える。

■窒素
・窒素はの三重結合で頑丈に結びついているので、反応しにくい安定な分子。よって、空気中に多量に存在している。
・窒素の名前は、空気から窒素だけを取り出してネズミを入れたら窒息して死んだことに由来。

■窒素の工業的製法
・空気を冷却し、 液体空気の分留 で窒素がとれる。

■アンモニアの製法
@ハーバー・ボッシュ法。(工業的製法)
・N2+3H2→2NH3
★N2の活性化エネルギーを下げるために触媒にを用いる。

A実験的製法
・塩化アンモニウムの固体と水酸化カルシウムの固体を加熱する。

■アンモニアの性質
@無色・刺激臭の気体。
A水に非常によく溶ける。
☆アンモニアと塩化水素は格段に水に溶ける。
B水に溶け、塩基性を示す。
☆塩基性の気体はアンモニアだけ。
C上方置換
☆実験にでる気体で上方置換はアンモニアだけ。

■アンモニアと臭い
・アンモニアが臭いは、鼻の奥のカギ穴のようなところに、アンモニア分子がぴったりとはまることによって、電気信号が流れ、臭いを感じる。

■一酸化窒素(NO)の製法
@工業的製法
・アンモニアを白金触媒のもとで900℃くらいで酸素と反応させる。
・オストワルト法の第一式。
☆係数の覚えかた
オストワルトよ! 仕   事     し    ろ!
           4NH3+5O2→ 4NO+6H2

A実験的製法
・銅(銀)と希硝酸を反応させる。3Cu+8HNO3(希)→3Cu(NO32 +4H2O+2NO

■二酸化窒素(NO2)の製法
@工業的製法
・一酸化窒素と空気と混ぜて、室温まで下げる。NO+O2 → 2NO2
・オストワルト法の第二式。

A実験的製法
・銅と濃硝酸を反応させる。3Cu+4HNO3(濃)→Cu(NO32 +2H2O+2NO2

■一酸化窒素(NO)と二酸化窒素(NO2)の性質の違い
@一酸化窒素は無色で水に難溶。二酸化窒素は 赤褐色 で水に溶ける。(硝酸をつくる。)
A一酸化窒素は中性の気体。二酸化窒素は酸性の気体。

☆二酸化窒素は二量体をつくる。
・2NO2⇔N24(四酸化二窒素) 頻出の反応式!

■硝酸
・工業的製法はオストワルト法という。
@4NH3+5O2→ 4NO+6H2
ANO+O2 → 2NO2
B2NO2 +H2O→2HNO3 +NO
合わせた式
・NH3 +2O2→HNO3+H2
☆アンモニア1molから硝酸1molが生成する。

■硝酸の性質
@無色の気体。沸点は86℃。濃硝酸の沸点は123℃。
☆一般に我々が試薬で用いる濃硝酸は硝酸が63%〜70%くらいの水溶液。塩酸は約35%、硫酸は約98%でそれぞれの分子量と近い。
A光と反応するので褐色のビンに入れて保存。
B強い酸化力があり、酸化剤となる。
C硝酸塩(肥料となる)はほとんど水に溶ける。
Dニトロ化剤になる。
EAl,Fe,Niは濃硝酸によって 不動態 となる。

■リンのポイント
・リンは黄リンと赤リンの違いと十酸化四リンをおさえる。

■黄リンと赤リンの違い
@黄リンは毒性が強く、皮膚をおかす。赤リンは毒性が少ない。 
A黄リンは自然発火するため「水中に保存」。(ちなみにナトリウムは「石油中に保存」。)赤リンは自然発火しない。 
B黄リンは硫化炭素に溶ける。赤リンは溶けない。
☆黄リンはある。赤リンはない。というイメージ。

・黄リンは赤リンを乾留して作る。(空気を断って、黄リンを約250℃に加熱)

■マッチ
・赤リンはマッチの頭薬ではなく、マッチ箱の側面が赤リン。

■B−29
・黄リン(P 4 )は猛毒で、空気中で自然発火する。日本を空襲したB−29の焼夷弾などにも使用された。

■ひとだまの正体
・ある種のバクテリアは生き物の死骸を食べて、糞として黄リンを出す。これが空気中で自然発火したものがひとだまの正体。