■希薄溶液
・溶媒の物質量に比べて溶質の物質量がずっと小さな溶液。

■希薄溶液のモル濃度と質量モル濃度
・希薄溶液では、モル濃度と質量モル濃度はほぼ等しくなる。
★理由……希薄溶液は、一般に0.1〜0.2mol/L程度以下の溶液をさし、溶液の質量に比べて溶質の質量が非常に小さいので、溶液の質量≒溶媒の質量、溶液の密度≒溶媒の密度になるから。(Cmol/L≒Cmol/kg)

■濃厚溶液
・濃厚溶液では、溶質粒子どうしの接近する機会が多くなり、溶質粒子間の相互作用の影響があらわれる。よって、溶液は溶質の種類によりそれぞれ異なる性質を示す。

■沸点上昇
・不揮発性物質を溶かした溶液の沸点が、純溶媒の沸点より高くなる現象。

■凝固点降下
・不揮発性物質を溶かした溶液の凝固点、純溶媒の凝固点より低くなる現象。
☆例……冬に雪が降って道路に融雪剤をまくのは、塩化カルシウムをまくことによって凝固点を下げ凍結を防ぐため。

■蒸気圧降下
・不揮発性物質を溶かした溶液の蒸気圧が、純溶媒の蒸気圧よりも低くなる現象。
☆例……海水で濡れた水着が、真水よりも乾きにくい。海水では蒸気圧が小さくなっているから。

■蒸気圧降下度、沸点上昇度、凝固点降下度
・希薄溶液の蒸気圧降下度、沸点上昇度、凝固点降下度は、溶質の種類に関係なく、溶液中の分子やイオンの質量モル濃度に比例する。

■電解質溶液の物質量
・電解質溶液では、電離によって生じた イオンの物質量 になる。

■蒸気圧降下の理由?
・液面付近に注目すると、水分子の中に不揮発性の粒子が加わると、液面付近の単位面積あたりの水分子が減る。よって、水分子が蒸気になる量が減る。 ∴蒸気圧が下がる。

■蒸気圧降下と沸点上昇の関係
★蒸気圧降下と沸点上昇(凝固点降下)は同じことをいっている。
(蒸気圧曲線のグラフの蒸気圧下がる⇒沸点は上がる。)

■過冷却
・本来、固体になっていなければならない凝固点以下の温度になっても、液体のままで存在している状態。
★過冷却が起こる理由
・水(液体)は水素結合をもつ不規則なクラスター構造をとっているが、氷(固体)は水素結合で規則的に配列した結晶構造をもつ。つまり、凝固するためには、水分子の配列を規則的にそろえる必要がある。しかし、冷却速度が速すぎたり、水の純度が高く、結晶核ができにくい場合には、凝固速度が冷却速度に追いつかずに、水分子は乱雑な状態のまま温度だけが下がっていってしまうため。