■電池
・電池は電子のキャッチボール。イオン化傾向が核になる。
☆イオン化傾向が大きい金属が電子を出してイオンになり、イオン化傾向が小さい+イオンが電子を受け取ることで電気が流れる。

■電池の発見
・1780年に医者のガリバニ(伊)が、解剖したカエルの足に金属板が触れて痙攣したのを見て、電気が発生していることを発見した。

・人類初の理論的な電池は化学者ボルタ(伊)が作ったボルタ電池。(亜鉛版と銅版、希硫酸の組み合わせ)

■電池とイオン化傾向
・イオン化傾向の大きい金属のほうが 負極 、小さいほうが 正極 になる。

■ブリキ
鋼材(鉄)に スズ にメッキしたもの。傷ついて内部の鉄が露出すると、メッキしない鉄よりさびやすいくなる。

■トタン
鋼材(鉄)に 亜鉛 をメッキしたもの。傷ついても亜鉛が溶け、生じた電子が鉄に供給されるため、メッキしない鉄よりさびにくくなる。
★ブリキでは鉄がトタンでは亜鉛が腐食される。

■分極
・(電池の放電により)極板に生じた物質によって起電力が低下する現象

■減極剤
・分極を防ぐために加えられる 酸化剤

■ボルタ電池
・1800年、ボルタ(イギリス)によって発明。
・ 希硫酸 に 亜鉛板 と 銅板 を浸したもの。
○正極:2H+2e→H2
○負極:Zn→Zn2+2e−

■ボルタ電池の銅線をはずしたら
・亜鉛板は表面から激しく気体を発生しながら溶け、銅板では何の変化もない。

■ダニエル電池
・1836年、ダニエル(イギリス)によって考案。
・ 硫酸亜鉛 水溶液に 亜鉛板 を 硫酸銅(U) 水溶液に 銅版 を浸し、素焼き板を用いて仕切ったもの。
○正極:Cu2+ +2e →Cu
○負極:Zn→Zn2+ +2e−
★ボルタ電池の改良型。分極は起こらず電圧はなかなか低下しない。

■素焼き板の果たす役割(ダニエル電池)
@拡散による両極液の混合を防ぐ。
A硫酸イオンと亜鉛イオンを通過させ、電池内に回路をつくる。

■正極と負極の質量の和(ダニエル電池)
・正極と負極の質量の和は減少していく。1molの電子が流れると、正極では銅が1/2mol析出するので、質量は31.8g増加し、負極では、亜鉛が1/2mol溶けるので、質量は32.7g減少する。よって、放電が進むにつれ、正極と負極の質量の和は減少していく。  

■起電力を大きくするには?(ダニエル電池)
・硫酸亜鉛の濃度を小さくして亜鉛を溶けやすくして、硫酸銅(U)の濃度を大きくして銅を析出しやすくする。

■ボルタ電池とダニエル電池の起電力
□ボルタ電池……起電力は急激に低下。
★理由
@銅板に発生した水素は絶縁体で、水素イオンと電子の反応を妨げるため。
A水素は銅よりもイオン化傾向が大きいので、水素自身が水素イオンになろうとして逆起電力が生じるため。

□ダニエル電池……起電力は低下しない。
★理由
・電極に水素が発生しないため。

■鉛蓄電池
・ 希硫酸 に 鉛 板 と 酸化鉛(W) 板とを浸したもの。
○正極:PbO2+4H +SO42− +2e →PbSO4 +2H2
○負極:Pb+PbSO4 →PbSO4 +2e
☆正・負合わせた反応:Pb+PbO2 +2H2SO4 ⇔2PbSO4 +2H2
正極物質の酸化鉛(W)は減極剤を兼ねている

■マンガン乾電池(ルクランシェ電池)
・容器をかねた亜鉛筒中に固形化した電解質溶液を入れ、同電解質溶液中に炭素棒を差し込んだもの。
★乾電池の正極物質は二酸化マンガンで減極剤もかねている。
☆電極反応は覚えなくてもよい。

■濃淡電池
・溶液の 濃度差 だけで働く電池。

■充電
・放電とは逆向きの電流を流すと、各電極で放電と逆の反応が起こる。この操作を充電という。

■一次電池と二次電池(蓄電池)
・一次電池……充電できない。
・二次電池(蓄電池)……充電できる。

■燃料電池
・燃料の燃焼の際に発生するエネルギーと同じエネルギーを電気エネルギーとして取り出す装置。
★水素の燃料電池……電極での水素の酸化を利用した電池。